赤ちゃんが欲しいと思ったら葉酸を!
妊娠と気がつく前から栄養接収を十分に
葉酸ってなあに?
ビタミンは、食品からとった栄養素を体に必要な成分に変えたり、エネルギーの代謝に必要な微量栄養素です。体内で作ることができないため、必要量をバランスよくとらないと、体に様々な問題が起こってきます。葉酸もこうしたビタミンの一つで、ビタミンB群に属していて、細胞を作るために必要な核酸を合成したり、血液(赤血球)を作る作用があります。ほうれん草から最初に抽出されたためにこの名前がつきました。
どうして葉酸が必要なの?
諸外国の研究で、十分な葉酸摂取をすると赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクが減らせる可能性のあることがわかってきました。神経管閉鎖障害とは、脳や脊髄を作る「神経管」が妊娠のごく初期に正常に形成されないために、脊髄に異常が起こって運動機能に問題を生じることもある二分脊椎という病気や、脳が正常に形成されない無脳症という病気のことをいいます。葉酸には神経管閉鎖障害以外の先天的形態異常や、妊娠とは関係ない生活習慣病に対しても効果があるらしいことがわかってきました。
どれくらいの葉酸が必要なの?
一般的に一日に必要な葉酸摂取量は成人で240ug(=0.24mg)、妊娠女性で480ug(=0.48mg)といわれています。水溶性ビタミンのため溶けだしてしまったり、調理の途中で分解されることもあるので、十分量を摂るようにするには工夫が必要です。欧米では日常的に摂取するパンやシリアルに葉酸を添加しているところもあります。
厚生労働省が葉酸摂取を推奨しています
こうした葉酸の効果を広めるために厚生労働省では、妊娠を計画している女性には食品からの葉酸摂取に加えて、いわゆる栄養補助食品(サプリメント)から1日400ug(=0.4mg)の葉酸を摂取するように推奨しています。妊娠1ヶ月以上前から3ヶ月までの間に、葉酸をはじめとしたビタミン豊富な栄養バランスのよい食事をとることが、赤ちゃんにとっては重要です。月経が遅れて妊娠に気づく頃には、既に赤ちゃんの内臓が出来上がりつつある時期なので、妊娠がわかるよりも前から、是非葉酸はとりたいものです。またいつ妊娠するかの予測も難しいので、妊娠可能な女性は、日頃から十分な葉酸を含めたバランスの良い栄養摂取をしていることが大切です。
*神経管閉鎖障害の発症にはさまざまな要因が絡んでいるので葉酸摂取だけで予防できるわけではありません。また神経管閉鎖障害の赤ちゃんが生まれた場合も、葉酸摂取不足がその原因になった可能性が高いというわけではありません。
Q&A
- Q妊娠中なので、薬の服用には慎重になっています。葉酸は大丈夫なのでしょうか?
- A
お腹の赤ちゃんに良い影響を与えることはあっても悪影響を及ぼすことはありません。また葉酸はビタミンB群の一種で、ビタミン剤として服用するときは、薬ではなく栄養補助食品に分類されます。妊娠中は、確かに薬の服用には慎重になりたいもの。とくに4~12週は赤ちゃんの器官がつくられる大切な時期。だからこそ、正常な細胞を形成する役割の葉酸を積極的に、一日に400ugの量を摂りたいのです。
- Q妊娠がわかったのですが6週です。これから葉酸を飲んでもいいのでしょうか?
- A
お腹の赤ちゃんは妊娠4~12週にかけて大切な器管を作り上げていきます。今がその真っ最中というわけです。妊娠前から、赤ちゃんの基礎が完成する12週までを重点的に服用するのが理想ですが、今からでも積極的に摂取して欲しいと思います。葉酸は妊娠中だけに限らず、老若男女すべての人の健康に役立つビタミンです。