事務局横浜市立大学附属市民総合医療センター内

沿革と業務紹介
“第2のサリドマイド事件はおこさない”
を目標に行われている活動について

横浜市立大学関係

倫理審議申請・承認

研究課題名 本邦における先天異常発生モニタリング調査研究ならびにサーベイランス活動
(日本産婦人科医会全国先天異常モニタリング調査)継続課題
研究責任者 倉澤健太郎 横浜市立大学附属病院産婦人科 診療教授/周産期医療センター長
承認者 横浜市立大学医学部研究倫理委員会,ヒトゲノム・遺伝子研究以外の研究, 横浜市立大学大学院医学研究科長
承認年月日 平成26年10月6日 承認(継続更新承認)

開発及び研究の概要

本申請は2004年5月,同一研究課題“本邦における先天異常発生モニタリング調査研究(日本産婦人科医会全国先天異常モニタリング調査)”として倫理委員会承認されていた研究の継続調査内容である.本調査研究は世界最大の薬禍であるサリドマイド事件を契機に発足し 妊娠環境(妊娠中のくすりの服用など)にある催奇形因子からおこる胎児への先天異常・毒性の危険性を察知するために日本産婦人科医会先天異常モニタリング定点観測病医院300施設の協力を得て先天異常モニタリング(外表奇形等)調査研究をおこなう.なお,本調査は日本産婦人科医会ならびにおぎゃー献金基金の重要な定例事業として位置付けられている.調査項目として,全妊婦より年齢,妊産回数,妊娠中の異常,対応,出産週数,出産月を,児側情報として,性別,体重,先天異常,状況,検査,対応,を得て,各病院において個人識別情報(氏名,ID番号,住所,生年月日等)を切り離した連結不可能匿名化情報として解析用の集計データが集積される.この連結不可能匿名化調査資料は横浜市立大学医学部内におかれたWHO (世界保健機関)の関連機構である国際先天異常監視研究機構日本代表部である横浜市大国際先天異常モニタリングセンターにおいて疫学統計処理・解析され,先天異常症例は絶えずその変動が国内データとしてモニタリングされ,さらに本調査とWHO国際先天異常監視機構との情報交換の上,疫学推計学的に何らかの先天異常発生要因の疑いのある因子が出現,指摘された場合,科学的判断ののち,政府並びに国民に向けて有害因子の警告を発する役割を果たしている.
本機能を有するモニタリング・サーベイランス機構は日本政府,各自治体にも全くなく,本機構が本邦唯一の監視・警告発信機構となっている.

開発及び研究の対象

全国日本産婦人科医会所属病院・医院(先天異常モニタリング定点観測協力病院) 妊産婦
毎年約10万人の妊産婦が対象
実施場所 横浜市立大学医学部
保存・管理方法 個人情報を削除した連結不可能匿名化情報として保管

なお,個人情報は消去され,連結不可能匿名化された情報として処理され,本調査機関からは個々の事例へのアクセスは不可能である.さらに,保護はじめ,個人の人権は本研究への参加の有無を問わず擁護される
国民レベルでの集積データの変動解析結果は日本産婦人科医会・横浜市大国際先天異常モニタリングセンターからの定期刊行物,ホームページ,また,WHO (世界保健機関)の関連機構である国際先天異常監視研究機構ホームページ,定期刊行物等でその集計内容が公表,公示されている.

医学上の貢献の予測

本調査研究は,1957年,世界最大の薬禍であるサリドマイド事件を契機に発足しすでに40年にわたる地道な調査とその分析による警告発信により,すでに多くの有害薬剤等の被害を未然に封じ,第2のサリドマイド事件を防いできた.従って,きわめて公益性の高い健康福祉行政に直結した調査として厚生労働省よりも位置付けられており,本邦における先天異常発生要因の捜査探索指標としては国・行政がまったく行なっていないことから,唯一の監視警告予報機構であり,かつてのサリドマイド薬禍の再発の防波堤となっているものである.

協力者へのお願い

日本産婦人科医会先天異常モニタリングへのご協力おねがい

先天異常モニタリングは,妊娠環境(妊娠中のくすりの服用など)からおこる胎児への先天異常・毒性の危険性を察知するためにおこないます.この先天異常モニタリングは,かつての薬害悲劇『サリドマイド事件』をきっかけに1970年ごろからWHO国際先天異常監視研究機構を中心に誕生し,これまで第2のサリドマイド事件の発生を防いできました.日本では日本産婦人科医会の先天異常モニタリング協力病院300病院がその役割をになって,1972年以降,絶え間なく日本で唯一の監視機関(WHO関連の国際先天異常監視研究機構の加盟国)としてその責任を果たし,皆さんの赤ちゃんの安全確保のため監視を続けております.本施設はこの全国で登録された330病院(全国で毎年約10万人の妊婦さんが協力)のひとつとして,先天異常モニタリング事業に協力をしております.皆様の診療情報から先天異常モニタリング監視に必要なデータの部分のみを全国集計データとして組み込ませていただきたくお願いしております.個人の情報(お名前,カルテ番号,住所,電話など)は集計にはまったく必要ありませんので切り離して『どなたのデータかがわからない形(連結不可能匿名化)』で集計に組み込まれることになりますので,後々追加してお尋ねすることもありえません.
これからの次代をになう世代,また,私ども自身の身の周りの安全をまもるため,何卒,本モニタリング事業にご理解とご協力をお願いいたします.

  • ご質問,ご希望のある方はスタッフ,職員までお申し出ください.
  • また本事業にご協力いただけない場合でも本施設における診療には何ら不利益・支障はございませんので,ご遠慮なくお申し出ください.
  • 個人名が全く切り離されて集計されるデータは以下のとおりです.
    妊婦さんからは年齢,妊産回数,妊娠中の異常,対応,出産週数,出産月,
    赤ちゃんからは性別,異常の有無,状況,検査,体重,となっています.
  • 本事業の報告は横浜市大国際先天異常モニタリングセンターホームページhttps://icbdsr-j.jp/,日本産婦人科医会ホームページhttp://www.jaog.or.jp/,国際先天異常監視機構WHO関連機構(ローマ)でもご覧になれるほか,国際先天異常監視研究機構世界代表者会議,学会等において発表,刊行物となっております.
  • 本事業は厚生労働省『疫学研究に関する倫理指針』に従い,横浜市立大学医学研究倫理委員会において承認されております.

横浜市立大学附属病院 産婦人科 倉澤健太郎

日本産婦人科医会関連

準備中

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